任天堂株式会社が放った『あつまれ どうぶつの森』は、商業的な成功という言葉だけでは到底測りきれない。世界的なパンデミックによって現実の移動や対面交流が断ち切られたあの時期、この無人島生活は文字通り社会の避難所となった。グローバル累計販売本数は4,000万本を優に超え、名実ともにゲーム産業全体の歴史を塗り替える存在となったのだ。
普段はゲーム機に触れない層すらもハードごと巻き込んだ現象は、ハードウェアの牽引役としても空前の役割を果たした。Nintendo Switchというハードが持つ「いつでも、どこでも」という思想と、島のリアルタイムな時間経過が見事に噛み合った結果といえる。エンターテインメントの枠組みを飛び越え、美術館の展示やアパレルブランドの発表会まで島内で催された光景は、バーチャル空間のあり方を数年分先取りしていた。