この楽曲最大の聴かせどころであり、歌い手を最も悩ませるのが、2番終わりの間奏に挿入される劇的なセリフパートです。「別れる決意を胸に秘め、看護婦から歌手への道を歩むヒロイン・高石かつ枝」の心情を独白するこのセリフ入り歌唱を成功させるには、2つの明確なポイントがあります。
第1のポイントは、「伴奏の小説カウントを身体で刻み続けること」です。セリフに感情を込めすぎるとテンポが崩れ、3番の歌い出し「♪逢うて別れて…」の頭に遅れてしまいがちです。伴奏の裏で鳴っているストリングスやドラムの拍を意識の片隅で捉え、最後のセリフを言い終えた直後に深めのブレス(息継ぎ)を入れる余裕を確保してください。
第2のポイントは、「マイクとの距離感による声量コントロール」です。セリフを歌と同じ音量・トーンで怒鳴るように発声すると、ドラマ性が失われてしまいます。マイクを口元にわずかに近づけ、囁くような哀愁から徐々に決意の強さへと声のトーンを変化させることで、聴き手の心を掴む圧倒的な臨場感が生まれます。