松本明子が直面した大きな人生の転機が、香川県高松市にある「実家じまい」だ。維持費や固定資産税で数千万円を費やしたこの問題は、メディアでも大きく報じられ、日本の空き家問題の象徴的な事例となった。この時、まだ学生だった龍介氏の存在が、松本の決断を大きく後押ししたという。
感情的に実家を残そうとする母に対し、龍介氏は極めて冷静だった。「これ以上、維持するのは現実的ではない」と、客観的なデータと将来のシミュレーションを提示し、母の背中を押したのだ。感情論に流されがちな親の世代に対し、デジタルネイティブであり大学で社会の仕組みを学んでいた若者の合理的な視点が、長年の懸案事項を解決へと導いた瞬間だった。