世界三大サーカスの頂点はどこ?衝撃の歴史と激変した現在を徹底解説

世界三大サーカスの頂点はどこ?衝撃の歴史と激変した現在を徹底解説

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世界のサーカス史において、2010年代後半から2020年代初頭は「最大級の地殻変動期」として記憶されています。その象徴が、両巨頭に起きた興行モデルの抜本的な破壊と再生です。

約1,000億円の負債から蘇ったシルク・ドゥ・ソレイユ

2020年3月、新型コロナウイルスの世界的感染拡大によって、シルク・ドゥ・ソレイユは世界中で展開していた全44公演の即時停止を余儀なくされました。チケット収入が完全にゼロとなる中、それまでの積極的な企業買収(ブルングループ買収等)によって膨らんでいた負債総額は約10億ドル(当時のレートで約1,070億円)に達し、同年6月にカナダの破産保護法(CCAA)を申請。全従業員の約95%にあたる数千人のパフォーマーやスタッフを一時解雇する事態へと追い込まれました。

シルク・ドゥ・ソレイユ破産復活の真相は、既存の経営陣を刷新し、カナダの投資会社カタリスト・キャピタル・グループを中心とする債権者団が経営権を握ったことにあります。債権者団は約3億7,500万ドルの救済資金を注入し、財務構造を劇的に圧縮。2021年夏にはラスベガスの常設公演『O(オー)』や『Mystère(ミステール)』を皮切りに再開し、見事に黒字化を達成しました。日本でも「ダイハツ アレグリア-新たなる光-」が記録的な動員を叩き出すなど、奇跡的なV字回復を果たしています。

動物を完全撤廃してアリーナツアーへ回帰したリングリング

一方、アメリカの伝統を背負ってきた「リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム&ベイリー」は、異なる壁に直面していました。146年間にわたり看板としてきた「象の調教ショー」に対し、動物愛護団体からの激しい抗議運動が激化。2016年に象の出演を取りやめたところチケット売上が急減し、2017年5月に一度解散・幕引きとなりました。

しかし、運営元のフェルド・エンターテインメントは諦めませんでした。リングリング・ブラザーズの現在は、2023年秋に「完全人間主体のアクロバット・ハイテクエンタメ」として再構築されています。動物は1頭も登場せず、空中トラピーズが交差する三角形のフライングブリッジ、LEDパネルとドローン、世界34カ国から集結した精鋭パフォーマーによるハイスピードな演出を導入。古びた見世物から、次世代のアスレチック・アリーナショーへと鮮烈な転換を遂げました。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。