天敵グッズや自然由来の対策には大きなメリットがある反面、インターネット上で拡散されている過度な万能説には注意が必要です。天敵の存在に対する蜂の反応は、状況やフェーズによって劇的に変化します。
最大の盲点は、「すでに形成された巣の防衛モードに入った蜂には威嚇が通用しない」という点です。巣作りの初期段階(4〜5月の女王蜂単独期)であれば、天敵の気配を感じた女王蜂は別の安全な場所へと移動します。しかし、夏以降に働き蜂の数が増え、巣の防衛本能が最高潮に達した集団に対しては、オニヤンマの模型を近づけても逃げるどころか、防衛行動として集団で猛烈に攻撃を仕掛けてきます。
また、夜間活動性の高いモンスズメバチや、土の中に営巣するオオスズメバチに対しては、視覚的な天敵トラップはほとんど機能しません。「グッズを設置しているから絶対に刺されない」という油断は禁物であり、あくまで初期の接近防止策と位置づけるのが賢明です。