いま全国の交差点で急速に進んでいるのが、「自転車横断帯の撤去」です。横断歩道の脇に白線で引かれていた自転車マーク付きの帯を見たことがある方も多いはずですが、近年、警察庁の方針によりこれが次々と消去されています。
撤去が進められた背景には、明確な安全上の理由があります。車道を走ってきた自転車が、交差点の手前で急に歩道側の自転車横断帯に入ろうとして左折自動車の死角に飛び込む事故や、横断帯を逆走してきた自転車と左折車が衝突する事故が後を絶たなかったためです。自転車横断帯をなくし、自転車を「車道の左側端にまっすぐ通す」構造に統一することで、交差点内の動線をシンプルにする狙いがありました。
しかし、このインフラ変更が現場の利用者に混乱を生んでいます。特に問題となるのが「右折方法」です。道路交通法第34条第3項に基づき、自転車はどのような交差点であっても「二段階右折」を行わなければなりません。自動車のように右折レーンに入って曲がることは明確な道交法違反です。
二段階右折をする際、直進した先の交差点角で進行方向を変えて待機しますが、このときに従う信号も「目の前の歩行者・自転車専用信号」となります。自転車横断帯がなくなった交差点では、どこを通ってどこで待機すべきか迷うサイクリストが多く、SNSやネット掲示板上でも「警察官によって誘導の指示がまちまちで困惑する」「車道を直進したいのに専用信号が赤で足止めされるのが不合理」といった現場の不満の声が噴出しています。