「せっかくの記念日だからと張り切って用意したのに、夜間受付の当直員に『これでは受け取れません』と突き返された」――SNS上には、デザイン婚姻届の不備によって入籍日がズレてしまったカップルの生々しい告白が散見されます。
戸籍事務を担当する自治体関係者の証言によると、デザイン婚姻届が窓口で差し戻される、あるいは後日訂正を求められる主な原因は以下の3点に集約されます。
1. 記入欄の枠線変更や文字の装飾による可読性の低下
戸籍法施行規則第59条では婚姻届の様式が定められています。記入項目そのものを削除したり、文字のフォントを極端に崩したり、枠線を消してイラストを配置するような改変は認められません。また、文字記入欄の背景に濃いイラストや写真が印刷されていると、文字が判読不能となり不受理となるケースが多発しています。
2. 印刷時のサイズ不適合(A4の貼り合わせや縮小出力)
公文書としての婚姻届は、「日本産業規格A列3番(A3サイズ:297mm × 420mm)」の一枚紙であることが法律で厳格に定められています。家庭用プリンターでA4用紙2枚に分割出力し、セロハンテープや糊で貼り合わせたものは100%受理されません。また、印刷設定のミスでA3用紙の中央に縮小印刷され、周囲に大きな余白ができてしまった場合も再提出を求められます。
3. 印影や機械読み取りを阻害する特殊加工・紙質
光沢が強すぎる写真用紙や、極端に凹凸のあるファンシーペーパー、ラメ加工が施された用紙は、押印した朱肉が定着せず擦れてしまうため不適切と判断されます。また、自治体の戸籍システムで書類を電子スキャン保存する際、厚すぎる紙や特殊コーティングされた紙はスキャナー詰まりや読み取りエラーを引き起こす原因となります。