自らの身体の不調に対して適切なケアを選択するためには、他者任せの受療行動から脱却し、高い身体リテラシー(Health Literacy)を持つことが求められます。医療機関(整形外科)、接骨院、整体院にはそれぞれ果たすべき役割の境界線が存在します。
医療社会学的な観点から見れば、痛みや不調を抱えた際、安易に「安さ」や「即効性の広告表現」だけに流されると、重大な器質的疾患(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、内臓疾患に起因する背部痛など)の見逃しにつながるリスクがあります。まずは自己の症状を客観的に観察し、以下の基準で受療先を判断することが最善の自己防衛策となります。
接骨院・整骨院がおすすめできる人
- スポーツ中や転倒など、「いつ・どこで・何をして痛めたか」という受傷機序が明確な人
- 足首の捻挫、打撲、肉離れ、関節の腫れなど急性の外傷症状が出ている人
- 交通事故被害に遭い、自賠責保険を使ってむち打ち症などのリハビリを受けたい人
- 短時間・低価格で患部に対する局所的な物理療法や固定処置を希望する人
整体院がおすすめできる人
- デスクワークに伴う慢性的な首・肩こりや、長年の腰の重だるさを解消したい人
- 猫背や反り腰、産後の骨盤の開きなど、全身の骨格・姿勢アライメントを根本改善したい人
- 1回の施術に30分〜60分以上の時間をかけ、全身をトータルでじっくり調整してほしい人
- 自費料金を投じてでも、リラクゼーション効果とコンディショニングを両立させたい人
どちらの施設でも慎重になるべきケース(まず整形外科を受診すべき人)
- 手足にしびれや感覚の麻痺、著しい筋力低下を伴う場合
- じっとしていても激痛が続く、発熱を伴う、夜間に痛みが強まる場合
- 転倒・衝突後に骨折の疑いがある場合(接骨院でも応急手当を除き、継続施術には医師の同意が必要)