ネット掲示板やSNSでは、ファストフードの余剰食料に関してさまざまな都市伝説が飛び交っています。しかし、その大半は現場の運用実態とはかけ離れた誤解です。ここではマクドナルドの廃棄がもったいないという噂の真相を検証し、事実を整理します。
まず代表的な誤解が、「深夜の閉店後に裏口へ行けば、余ったバーガーをタダで譲ってもらえる」「余剰品を近隣の困窮者施設やフードバンクに配っている」という言説です。これらは完全な誤情報です。前述の通り、店舗で廃棄判定を受けたものは直ちに密閉廃棄コンテナに投入され、外部への提供は一切遮断されています。第三者に譲渡した食品でトラブルが発生した場合、善意であっても法的賠償責任を免れないため、企業としてそうした非公式な譲渡を認めることは絶対にありません。
また、「店長の裁量や店舗のローカルルールで、目立たないようにクルーが持ち帰っている店もある」という噂も散見されます。しかし現代の直営店・フランチャイズ店では、POSレジとバックヤードのロス登録数が在庫管理システムと連動しています。定期的な内部監査(インスペクション)や防犯カメラの映像確認が行われており、仮に店長が黙認していれば管理職自身の降格や懲戒処分に直結します。現場レベルでの「こっそり持ち帰り」は事実上不可能です。
さらに「捨てるくらいなら閉店間際に半額シールを貼って値引き販売すればいい」という意見も根強く存在します。しかし、マクドナルドは「ファスト(迅速性)」と「クオリティの均一性」を売りにするビジネスモデルです。見切り品のディスカウントを導入すれば、閉店前の買い控えを招き、正規の需要予測が大きく狂うことになります。廃棄コストを払ってでも定価販売の規律を維持するほうが、チェーン全体としての利益構造とブランド価値を守ることにつながるのです。