特別養護老人ホーム最大のメリットは、公的扶助が手厚く月額費用が8万〜15万円程度に収まる点です。住民税非課税世帯などを対象とした「特定入所者介護サービス費(補足給付)」制度により、居住費や食費の負担限度額が低く抑えられます。介護保険の自己負担割合(1〜3割)に応じた枠組みも適用され、年金収入の範囲内で賄える世帯が少なくありません。
しかし、最大のハードルとなるのが入居条件と順番待ちの実態です。特養への入居は法律上「要介護3以上」が基本要件となっています(重度の認知症や虐待など、やむを得ない事由がある場合の特例入居を除く)。
入居の順番は申し込み順(先着順)ではなく、「入居優先度評価基準」に基づく点数制です。要介護度の高さ、主介護者である家族の就業状況や高齢化度合い、認知症の周辺症状(BPSD)の有無などが細かくスコアリングされます。厚生労働省の動向調査でも待機者数は全国で数十万人規模と依然として多く、都市部では申し込みから入居まで半年〜1年以上待機することも珍しくありません。