大塚国際美術館に展示されている作品は、単なるポスター印刷やプロジェクションによるレプリカではありません。大塚グループの大塚オーミ陶業株式会社が開発した、特殊な陶板名画技術によって制作されています。
陶板名画の制作工程は極めて高度かつ緻密です。まず、原画の著作権保有者・美術館の正式許諾を得た上で、ポジフィルムや高解像度デジタルデータを用いて原画の色分解を行います。その後、耐火性のある巨大な陶板に特殊顔料で印刷・転写し、絵の具の厚みや凹凸、画家の筆致(タッチ)を職人の手作業で忠実にレタッチします。
さらに、これを約1,000〜1,300度の高温窯で焼き上げることで、顔料が釉薬と一体化し、半永久的に退色・劣化しない陶板名画が完成します。紙やキャンバスの油彩画は約数百年で経年劣化が進みますが、陶板名画は2,000年以上にわたって色と形を保持し続けます。これにより、原画の「現在の姿」だけでなく「制作当時の鮮やかな色彩」を後世へ完璧に保存・伝承する文化財保護の役割も担っています。