火垂るの墓作者・野坂昭如の壮絶実話|妹への贖罪と清太の真相

火垂るの墓作者・野坂昭如の壮絶実話|妹への贖罪と清太の真相

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『火垂るの墓』を語る上で避けて通れないのが、主人公・清太のモデルとなった野坂昭如自身の実体験と、節子のモデルとなった実妹・恵子ちゃんをめぐる残酷な真実です。作中の清太は、自らの命を削ってまで幼い妹を守り抜こうとする理想的な兄として描かれています。しかし、当時の手記や特番インタビューで作者本人が語った告白は、痛烈な自己嫌悪に満ちたものでした。

避難先の福井で極限の飢餓状態に陥った14歳の野坂少年は、妹に与えるべきわずかな粥や芋を、空腹に耐えかねて自らの口へと運んでいました。泣き叫ぶ妹の頭を叩いて黙らせた記憶、そして栄養失調で骨と皮ばかりになり、1歳4カ月で衰弱死した妹の遺体を自らの手で火葬した際の異様な光景が、生涯消えないトラウマとなって焼き付いたと語っています。

野坂は自著『文壇』や各種手記において、「僕はあんな優しい兄貴ではなかった。妹の飯を横取りして生き延びた卑怯者だ」と吐露しています。小説内で清太を野垂れ死にさせた結末について、関係者や文芸評論家は「本来死ぬべきだった自分自身を清太に投影し、紙の上で殺害することで妹への供養と贖罪を果たそうとした」と分析しています。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。