球場に足を運んでいたファンや現場のスカウト陣にとって、田中豊樹はどのような存在だったのでしょうか。SNSや球場スタンドの声、関係者の評価を検証すると、非常に愛された選手であったことが浮き彫りになります。
東京ドームの巨人ファンからは、「走者を背負った場面でマウンドに上がり、三振で切り抜けたときの雄叫びが忘れられない」「育成から這い上がってきたときの泥臭い姿に勇気をもらった」といった熱いメッセージが数多く寄せられていました。日本ハム時代からのファンも、「あの剛速球がゾーンに決まったときの無敵感はロマンそのものだった」と振り返ります。
また、2023年トライアウト視察時の球界関係者は次のように証言しています。
「腕の振りの強さは健在で、手術明けを感じさせないボールの力があった。ただ、現代のNPBブルペンは150km/h超えが当たり前の時代。純粋な球速に加えて、変化球の精度やクイックモーション、年間を通して離脱しない計算の立ちやすさがシビアに求められる。実力不足というよりは、各球団のリリーフ編成枠の兼ね合いで涙を呑んだ形だ」