当時まだ20歳そこそこだった高良健吾が演じたアマは、純真さと狂気が危ういバランスで同居するストリートの少年だった。吉高由里子が演じる主人公ルイの空虚な日常に突如として現れ、蛇の舌を持つ改造人間のような風貌でありながら、誰よりも深い愛情を彼女へと注ぎ込む。そのアンバランスな存在感こそが、この青春ドラマ映画の心臓部を力強く拍動させていた。
過激なビジュアルの奥底に滲み出ていたのは、社会から零れ落ちていく若者の脆い魂だ。暴力にまみれながらも、ルイの前でだけ見せる無邪気な笑顔。その落差が痛々しいほど、観客は彼が向かう破滅の足音に息を呑んだ。日本映画の枠組みを軽々と踏み越えるエネルギーが、アマという肉体を通じて全編に満ちていたのだ。