支柱を立てた後に待っている最重要工程が「誘引」だ。園芸家として知られる深町貴子氏や『NHK趣味の園芸』の指南において、繰り返し強調されているのが麻ひもを使った「八の字結び」である。
支柱側に固結びをした後、茎側を八の字に交差させて緩やかに結ぶ。指が1本入る程度のゆとりを持たせるのが最大のポイントだ。成長期にあるトマトの茎は驚くほどのスピードで太くなる。隙間なくきつく縛ってしまうと、肥大した茎にひもが食い込み、維管束を圧迫して養分の循環を止めてしまう。茎を締め付けず、かつ風で暴れない絶妙な遊びを作ることこそが、長期多収穫を支える職人技といえる。