本作最大の衝撃は、伝説の音楽家エルネスト・デラクルスと、落ちぶれたガイコツであるヘクターの真実の関係性だろう。当初、ミゲルはデラクルスこそが自分のひいひいおじいちゃんだと信じ込んでいた。だが、物語の歯車が狂い始めたとき、驚愕の真相が明かされる。
実は、ミゲルの真の先祖はヘクター・リヴェラだった。かつて親友同士だった二人だが、家族のもとへ帰ろうとしたヘクターを、デラクルスは毒殺。ヘクターが愛娘ココのために書いた曲やギターをすべて奪い取り、自らの名声へとすり替えていたのだ。
この展開には、張り巡らされた伏線が見事に機能している。デラクルスの映画に出てくる乾杯のシーンのセリフ、ヘクターの骨の歪み、そして何より名曲『リメンバー・ミー』の本当の意味。劇中歌が「大衆向けの派手なショーソング」から「父が娘へ捧げた子守唄」へと姿を変える瞬間、観客はタイトルの真意を知り、涙を禁じ得ない。