冷凍庫に霜が発生する直接的な原因は、ドアの開閉時や隙間から侵入した外気に含まれる水分(湿気)が冷却器の周囲で急激に冷やされて凍結することです。特に一人暮らし向けの小型冷蔵庫やパーソナル冷凍庫に多く採用されている「直冷式(自然対流式)」は、庫内に露出した冷却パイプで直接冷やす構造のため、ファンで冷気を循環させて自動除霜を行う中大型の「ファン式(間接冷却式)」に比べて圧倒的に霜が成長しやすい特性を持っています。
大手電機メーカーの技術サポート担当者は、現場での点検事例について次のように警鐘を鳴らしています。
「直冷式の冷凍庫において、霜の厚みが1cmを超えると断熱層として機能してしまい、冷却効率が約15〜20%低下します。冷えが悪くなったと感じて温度調節ダイヤルを強に設定すると、さらに電気代がかさみ、コンプレッサーの寿命を縮める悪循環に陥ります」(家電サービスエンジニア談)
また、盲点になりやすいのがドア周囲のゴムパッキンの劣化です。長年の使用でパッキンに歪みや亀裂が生じたり、調味料の汚れが付着してわずかな隙間ができると、庫外から暖かく湿った空気が24時間流入し続けます。「名刺や薄い紙をパッキンに挟んでドアを閉め、抵抗なくスッと抜ける状態」であれば、密閉性が失われて霜だらけになる決定的な要因となっています。なお、小型冷蔵庫の中には「霜取りつまみ(霜取りボタン)」が温度調節ダイヤルの中央に備わっている機種もあり、これを押し込むだけで自動的にヒーターが作動したり冷却が停止して除霜モードに入る設計も存在します。