地域資源としてのミュージアムのあり方が問われるいま、文化庁が主導する地域ゆかりの文化観光施策とも呼応し、大分はアートツーリズムの重要なハブとして脚光を浴びている。別府の温泉文化や由布院の豊かな自然と美術館を結ぶ周遊ルートは、国内外の旅行者を惹きつけてやまない。
さらに、激変する博物館・美術館産業の潮流のなかで、同館はデジタルとフィジカルの融合にも果敢に挑む。Google Arts & Cultureなどのプラットフォームを活用したデジタルアーカイブの公開を進める一方で、「現場でしか得られない身体的体験」の価値を極限まで研ぎ澄ませている。画面越しに高精細な画像を見られる時代だからこそ、本物の絵の具の盛り上がりやマチエールの放つオーラが、観る者の心を激しく揺さぶるのだ。