『ゴッドファーザー』の物語を深く理解する第一歩は、コルレオーネ・ファミリーの中核を担う血縁者および幹部たちの立ち位置を押さえることです。シチリア島からアメリカへ渡り、一代で巨大組織を築き上げた初代ドン、ヴィトー・コルレオーネを中心に、強固でありながら脆さを孕んだ家族関係が形成されています。
長男のソニー(サンティノ)は、情に厚く行動力にあふれる武闘派ですが、短気で感情に流されやすい致命的な弱点を持っています。次男のフレッド(フェデリコ)は、心優しく穏やかな性格である反面、気弱で優柔不断なため、裏社会の幹部としての器量を欠いていました。そして三男のマイケルは、当初ファミリーの犯罪ビジネスを嫌悪し、名誉ある軍人として一般社会で生きることを望んでいましたが、父の襲撃事件を機に組織の冷酷な後継者へと変貌していきます。
実子以外で極めて重要な存在が、相談役(コンシリエーレ)を務めるトム・ヘイゲンです。ストリートチルドレンだった彼をヴィトーが引き取り、実子同然に育てて弁護士資格を取らせました。シチリア人以外の幹部就任は裏社会の異例中の異例であり、彼の沈着冷静な知性がファミリーの法的防壁として機能します。さらに、問題児の義弟カルロ・リッツィと結婚した長女コニー(コンスタンツァ)の存在が、後に一族を揺るがす悲劇の引き金となります。