突然の激痛に襲われた際、迷うのが「まずどこへ行くべきか」という初動の判断です。右肩が痛いときに何科を受診すべきかは、痛みの「動作依存性」と「全身症状の有無」の2軸で論理的に切り分けられます。
腕を動かそうとした瞬間に痛みが変化する、あるいは腕の可動域が制限されている場合は、迷わず整形外科を選択してください。X線(レントゲン)撮影を行えば、石灰の沈着は数分で確認が可能です。石灰沈着性腱板炎であれば、局所麻酔薬とステロイドの関節内注入、または石灰の注射器吸引療法を受けることで、数時間以内に嘘のように激痛から解放されるケースが珍しくありません。
一方、腕を上下左右に動かしても痛みの強さが変わらず、背部痛・腹痛・吐き気・発熱が同時に生じている場合は、内科または消化器内科を受診してください。血液検査による炎症マーカー(CRP)や肝胆道系酵素(AST, ALT, γ-GTP, ビリルビン)、腹部超音波(エコー)検査によって、胆嚢炎や肝炎の有無を迅速にスクリーニングする必要があります。
【プロの結論】受診を急ぐべき人・慎重に経過観察できる人の判断基準
痛みの程度や随伴症状から、行動指針を明確に区別することが大切です。
【直ちに救急または当日中に医療機関を受診すべき状態】
痛みが尋常ではなく腕が全く触れない状態である、右肩の痛みとともに胸部圧迫感やりんごの皮を剥くような息苦しさ・冷や汗がある、発熱(38度近く)や嘔吐を伴っている、白目や皮膚が黄色くなっている。これらは緊急処置や急性期手術を要するサインであり、決して様子を見てはなりません。
【数日以内に通常外来で受診すればよい状態】
痛むものの日常生活動作(着替え・洗髪)がある程度こなせる、特定の角度だけで引っかかるような痛みが出る、発熱や内臓の不調がなく安静時には痛みが引いている。この場合は無理な運動や患部の揉みほぐしを避け、患部を安静に保った状態で整形外科の専門外来を予約してください。