一方、中国出身のルーツを持ち、日本語・中国語を自在に操る語学力を有していた阿部力は、日本国内のエンターテインメント業界から距離を置き、活動の拠点を海外やビジネスの場へとシフトさせた。台湾や中国本土の映像作品への参加、さらには飲食店のプロデュースといった実業への進出である。
日本国内のテレビメディアによる強力な縛りが届かない領域で、自身の能力と人脈を再構築する戦略は、ある種のアジリティを感じさせるものだった。餃子店などの実店舗経営や現地動画コンテンツへの出演など、愚直に汗をかくビジネスモデルへと転換したことで、彼は芸能人の枠組みを超えた「一事業主」としての生存戦略を確立していく。