家庭菜園における最大の盲点は、「畑(露地)のセオリーをそのままプランターに持ち込むこと」です。用土の絶対量が限られるさつまいものプランターでの水やりは、露地栽培とは全く異なるロジックで運用する必要があります。
畑栽培の場合、毛細管現象によって地下深層から水分が供給されるため、活着後は降雨に任せる完全無潅水が基本です。一方、プランターやベジタブルバッグは全周囲が外気に晒されており、真夏には半日で土壌水分が蒸発し尽くします。プランター内部の温度は日中40度近くまで上昇し、水分が切れると細根が一気に壊死します。
プランター栽培での鉄則は、「土の表面が白く乾いたタイミングで、鉢底穴から水が勢いよく流れ出るまで一気に与える」ことです。中途半端に少量の水を毎日与える行為は、鉢底の古い空気を押し出すことができず、鉢底にヘドロ状の滞水層を作って根腐れを誘発します。メリハリのある給水こそが、限られた用土でイモを太らせる最大の鍵です。
なお、さつまいもの水やりを行うタイミングは朝夕の涼しい時間帯が鉄則です。炎天下の日中に潅水すると、土中の水分がお湯のように加熱され、根を煮沸してしまう「温湯障害」を引き起こします。朝7時〜8時台、または夕方に涼しくなってから潅水を実施してください。