近年の夏、日本列島を襲う異常な猛暑は高校野球の開催形態そのものを根本から揺るがしている。かつては「暑さに耐えてこそ甲子園」という根性論が幅をきかせていた時代もあったが、現在は選手の命を守ることが最優先事項だ。朝夕2部制の導入や冷却タイムの拡大など、高野連(日本高校野球連盟)による矢継ぎ早の改革が進む中、注目を集めているのが熱中症予防を理由とした試合の中断および打ち切り判断である。
熱中症指数(WBGT)が危険水準に達した場合、審判団と大会本部は試合の継続を断念する勇気を求められる。現場のドクターやトレーナーの助言を受け、試合半ばであっても「これ以上のプレーは生命にかかわる」と判断されれば、試合はその時点で成立条件を満たしていれば打ち切られる。勝利を目指して汗を流してきた選手たちにとって残酷な決断に見えるかもしれない。しかし、救急搬送される選手が続出する事態を防ぐためのこの英断こそ、2026年のスポーツ界が求めるあるべき姿と言えるだろう。