魅力的なネーミングのヒントは、歴史を築いてきたゲームクリエイターたちの哲学の中にも色濃く息づいている。任天堂株式会社を牽引してきた宮本茂氏が創り出す世界観には、誰の口からも自然とこぼれ落ちるような、音韻の心地よさと親しみやすさが常に宿っていた。
一方、株式会社スクウェア・エニックスの看板タイトルを手がけた堀井雄二氏の言葉選びにも注目したい。短く、リズミカルで、どこか愛嬌のある呪文やキャラクターの命名法は、日本のポップカルチャーにおける「愛される言葉」の黄金律を築き上げたと言ってもいい。Nintendo Switchの気軽なパーティータイトルから、Steamで夜な夜なやりこむインディータイトルに至るまで、優れた名作の根底には常に、語感への研ぎ澄まされたこだわりが流れている。