クラシックスタイルを築き上げてきた歴史的名士や映画のアイコンたちも、タイのバランスには異様なまでのこだわりを見せてきた。
20世紀のスタイルアイコンであるウィンザー公は、完璧な襟元のボリュームを計算し尽くし、自身の名を冠したノットを生み出した。1980年代以降のモード界を牽引したジョルジオ・アルマーニは、アンコンシャスな仕立ての中に美しいドレープと緻密なタイバランスを提示し、メンズウェアの概念を刷新した。
スクリーンの中でもその美学は不変だ。映画『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』でダニエル・クレイグが見せたストイックなタイドアップや、映画『キングスマン』の洗練された英国紳士スタイル。激しいアクションの中でも決して乱れない完璧な長さと結び目は、規律と美意識の象徴としてスクリーン越しに観客を魅了し続けている。