栃木県宇都宮市上欠町の一角に誕生した「スーパー料亭天女」は、当時のレジャー産業におけるフロンティアスピリットを象徴する巨大アミューズメント施設でした。単なる温泉施設や食事処の枠に収まらず、「巨大風呂」「本格料亭料理」「舞台演劇・歌謡ショー」「宿泊・仮眠設備」をワンストップで提供するという、現代の高級スーパー銭湯やウェルネスリゾートの原型とも言える空間が広がっていました。
施設内に一歩足を踏み入れると、巨大なシャンデリアや金箔調の装飾、優雅に泳ぐ錦鯉の池など、訪れた客の非日常感を煽る豪奢な内装が迎え入れました。高度経済成長期からバブル経済へと向かう日本社会のエネルギーが凝縮された建築意匠は、当時の地方都市における娯楽の最高峰として、観光バスが何台も横付けされるほどの活況を呈していたのです。