珍名 難読苗字 ランキングや雑学コンテンツにおいて、しばしば「実在する」と紹介されながら、実際には戸籍上の裏付けが存在しない情報が拡散されています。
その代表格が、雲を3つ、龍を3つ組み合わせた漢字で表記される通称「たいと(総画数84画)」です。難読漢字の字典や一部の文献には「日本の苗字」として収録されている事例が見られますが、法務省の戸籍統一文字情報や過去の国勢調査データ、電話帳記録を徹底調査しても、この苗字を持つ人物の実在は確認されていません。江戸時代の筆名や言葉遊びから生じた「幽霊名字(架空の姓)」というのが文献学上の定説です。
また、落語の演目や古典的な笑い話に登場する「芝小路豊後守(しばこうじぶんごのかみ)」や「十二月三十一日(ひづめ、しわすさんじゅういちにち)」といった極端な長大姓も、戸籍上の正式な登録姓としては実在しません。
戸籍に実在する「日本一画数が多い苗字」の確実な頂点は、岩手県岩手郡雫石町などに約70人が暮らす「躑躅森(つつじもり・54画)」です。ツツジの群生する森という地形的特徴から名付けられたもので、現在も地域にしっかりと根付いています。