近年のタクシー性的暴行判決において、裁判所は「乗客の生命・身体の安全を保護すべき公共交通機関の乗務員が、その職務や立場を悪用した」点を極めて悪質と判断し、初犯であっても執行猶予を付けない実刑判決を言い渡すケースが主流となっています。
公判記録や判例データを見ると、被告側が「同意があった」「泥酔して誘ってきた」などと弁解しても、車内ドライブレコーダーの音声記録や乗車前後の防犯カメラ映像との整合性が取れなければ、情状酌量の余地なしとして一蹴されます。また、運転手個人の刑事罰にとどまらず、管理監督体制を問われたタクシー会社に対する行政処分も厳格化しています。
国土交通省による監査の結果、点呼時のアルコール・体調チェックの不備や、過去の苦情履歴を放置していた実態が発覚した場合、事業停止や数十台規模の車両使用停止という厳しい処分が下されます。被害者側の損害賠償請求においても、加害運転手だけでなくタクシー会社の使用者責任を追及し、被害回復を図ることが法務実務における基本方針となっています。