イチゴマンの特筆すべき凄みは、単なるビジュアル展開に終わらず、2016年からウェブコミック誌などで連載された公式漫画版『イチゴマン』の徹底した本格志向にあります。クリエイティブ陣の顔ぶれは、特撮ファンの度肝を抜く構成でした。
脚本を担当したのは、『仮面ライダーアギト』『仮面ライダー555(ファイズ)』『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』などを手掛け、特撮界の巨匠として知られる井上敏樹氏です。さらに企画協力には『仮面ライダー555』の草加雅人(仮面ライダーカイザ)役で知られる俳優・村上幸平氏が参画。作画はシャープな筆致に定評のある神無月羽兎氏が務めました。
この制作陣によって描かれたストーリーは、サンリオのパブリックイメージを覆すほどハードで重厚なアクションドラマです。人間の妬みや憎悪といった負の感情が実体化したモンスターに対し、イチゴマンは肉弾戦で果敢に挑みます。さらに戦闘が激化すると、巨大ロボット「宮本武蔵(ミヤモトムサシ)」を召喚し、コックピットに搭乗してド迫力の巨大戦を展開するという、ロボットアニメファンをも唸らせるギミックが炸裂しました。
共闘する仲間たち:ダークグレープマンとハニーモモ
イチゴマンの世界には、彼女を支え、時に競い合う魅力的なバディキャラクターが存在します。
1人目は、大型バイク「パープル・チェイサー」を駆る孤高のダークヒーロー「ダークグレープマン」です。紫のスーツに身を包み、自らの正義を貫くストイックな戦士であり、キティの変身するイチゴマンとは対照的な「影のヒーロー」としての役割を担います。
2人目は、ダークグレープマンの有能な秘書であり、自身もピンクの戦闘スーツで戦場を駆け抜ける「ハニーモモ」です。桃をあしらったキュートなデザインながら、卓越した情報収集能力と武術を併せ持つエージェントとして活躍しました。これらのキャラクターが織りなす群像劇は、大人の鑑賞にも十分に耐えうる本格的なドラマ性を生み出しています。