2015年3月、JR東日本が次世代の通勤型車両「E235系」の量産先行車を報道陣に公開した瞬間、Twitter(現X)や大手掲示板「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」は驚きと失笑に包まれました。先代のE231系500番台が見せていた丸みを帯びた銀色のスマートなフォルムから一変、新型車両の先頭形状は垂直に切り落とされたようなフラットな平面で構成されていたためです。
ネット上には「どう見ても電子レンジの扉」「正面が緑色の業務用トースターにしか見えない」「前面窓の横にスタートボタンが付いていそう」といった投稿が相次ぎ、比較画像が瞬く間に拡散されました。フロント部分の黒いフレームと下部に施された緑色のドットグラデーションが、家庭用電子レンジのガラス窓や操作パネルの配置を強く連想させたことが原因です。
さらに批判に拍車をかけたのが、長年親しまれてきた「横帯ライン」の廃止でした。103系以来、山手線のシンボルであったウグイス色のラインが側面の窓上とドア部分だけに縦方向で配置されたため、「緑の面積が減って安っぽい」「まるで雨だれのようなドット表現が不気味」といった辛辣な意見が集中しました。従来の鉄道デザインにおける「スピード感」「流線型」「水平基調の疾走感」という常識を真っ向から裏切る外観が、多くの人々に「前衛的すぎるがゆえのダサさ」として知覚されたのです。