被害を未然に防ぐ予防戦術において、キャンパーや渓流釣り師の間で評価が分かれるのが各種防虫アイテムの実効性です。日常用の虫除けスプレー(低濃度ディート)を過信して山に入り、甚大な被害に遭うキャンパーは後を絶ちません。
まず化学的忌避剤としては、ディート30%配合製剤またはイカリジン15%配合製剤(プレミアム製品)が必須装備となります。ただし、ブヨに対して極めて高い忌避実績を誇る天然成分として現場で圧倒的支持を集めているのがハッカ油虫除けスプレーです。ブヨはハッカやミントに含まれる「l-メントール」の刺激臭を強烈に嫌う習性があります。無水エタノール10mlにハッカ油を20〜30滴垂らして混和し、精製水90mlで希釈した自家製スプレーを露出部や衣類の裾、ハットに定期的に噴霧することで、ブヨの接近を大幅に遮断できます。
一方、アブ対策キャンプにおいて近年大ヒットしているのが、日本最大のトンボを模した防虫グッズオニヤンマくん効果の実態です。アブは動体視力に優れ、天敵であるオニヤンマ(肉食昆虫)の黒と黄色の警戒色を本能的に恐れます。タープの四隅やバックパック、帽子のつばに取り付けることで、アブが警戒してホバリング後に離脱する現象が多数確認されています。
しかし、オニヤンマくんは視覚情報に頼る防犯アイテムであるため、薄暗い時間帯に行動するブヨや、背後から無警戒に潜り込んでくる極小昆虫に対しては効果が限定的です。「オニヤンマくんでアブの接近を牽制しつつ、ハッカ油スプレーと高濃度イカリジンでブヨの嗅覚をブロックし、黒・紺など濃色の服を避けて白や黄色の長袖・長ズボンを着用する」という複合防壁こそが最強の布陣です。