手記『絶歌』は全294ページにわたり、大きく二つのパートに分かれて執筆されています。第一部では幼少期の原体験から小動物殺傷のエスカレーション、そして一連の児童殺傷事件の犯行当日に至る内面が、極めて装飾的な文体で描かれています。
少年Aは自らの心の中に潜む破壊的な衝動を「バケモノ」と呼び、唯一の心の拠り所であった祖母の死を契機に、死への執着と性的サディズムが融合していったプロセスを告白しています。1997年2月の女児殴打事件から、5月の土師淳くん殺害、首の切断と中学校正門への遺棄に至る経緯について、当時の感覚や幻覚めいた心理状態が克明に綴られており、単なる反省録にとどまらない加害者心理の生々しい記録となっています。
続く第二部では、逮捕後の関東医療少年院における約7年間の矯正教育プログラムと、2004年の仮退院以降の「社会復帰」の現実が描かれます。法務技官や保護司との対話を通じて自らの犯した罪の重大さに直面する過程や、身元を偽りながら日雇い労働、溶接工、土木作業員などを転々とする孤独な逃亡者のような生活実態が吐露されています。