日本の公的医療保険制度は「国民皆保険」を掲げていますが、その内実は職業や勤務先によって加入先が厳密に分かれています。国民健康保険と社会保険の違い、さらに大企業の組合健保、公務員の共済組合など、それぞれの組織が独自のデザインを採用してきたことが、色の多様性を生み出しました。
中小企業のサラリーマンが多く加入する「全国健康保険協会(協会けんぽ)」では、都道府県ごとの支部にかかわらず、長年統一された淡い水色(青系)のプラスチックカードが採用されてきました。被保険者数約4,000万人を抱える最大の保険者であるため、「会社員=水色・青」という視覚的イメージが一般に定着した大きな要因となっています。
一方、大企業が単独または共同で設立する「組合管掌健康保険(組合健保)」は全国に約1,380組合存在し、カードの配色や材質は各健保組合の理事会が自由に決定できます。濃いブルーやゴールド調のデザインを採用する大手健保もあれば、親しみやすいパステルグリーンやオレンジを採用する組合もあり、企業規模や年収水準とカードの色彩には何の因果関係もありません。