シミ治療で最も深刻な過ちが、「自分のシミのタイプを誤認したまま対策を進めること」です。シミには複数の病態が存在し、特に発症頻度の高い「老人性色素斑」と「肝斑(かんぱん)」の判別を誤ると、治療そのものが逆効果をもたらします。
老人性色素斑は、長年の紫外線被ばくが主な原因で発生します。特徴としては、輪郭がはっきりとした円形〜楕円形で、頬骨やこめかみ、手の甲など日光が当たりやすい部位に単発または数個まとまって現れます。メラニンが特定部位の角化細胞に蓄積しているため、波長を合わせた医療レーザー照射によるピンポイント破壊が非常に有効です。
一方で肝斑は、女性ホルモンの変動や摩擦ストレスが主因とされ、30代後半から50代の女性に好発します。頬骨に沿って左右対称に、もやっと広がる雲のような境界不明瞭な影として出現するのが典型例です。肝斑が存在する部位に高出力の単発レーザーを打つと、メラノサイトが激怒して猛烈にメラニンを放出し、「施術前より明らかにシミが濃くなった」という最悪の失敗を引き起こします。皮膚科受診時にウッド灯や肌診断機で層を見極めてもらうことが、無駄な出費と肌トラブルを防ぐ絶対条件です。