全国のうどん愛好家が聖地として巡礼を続ける香川県において、高松市郷東町のうどん店といえば、誰もが真っ先にその名を挙げるのが「はりや」です。食べログの讃岐うどん百名店(高松エリア)でも常に上位常連であり、観光客だけでなく、舌の肥えた地元・讃岐っ子たちが定期的に列へと吸い込まれていきます。
ファストフード感覚で数十秒で提供される一般的なセルフうどん店が香川の主流を占めるなか、当店は注文が入ってから麺を締め、天ぷらを揚げるフルサービスの「一般店」としての誇りを貫いています。時代の波や効率化のトレンドに迎合することなく、手作業の極みを実直に守り抜くスタンスこそが、手打ちうどんはりやの現在における揺るぎないブランド力を形成しているのです。
手打ちうどんはりやの評判を現場で定点観測すると、客層の幅広さに驚かされます。県外ナンバーのレンタカーで訪れた若者グループから、作業着姿の常連客、シニアの夫婦まで、全員が静かに、そして期待に満ちた表情で自らの順番を待っています。大量生産では決して到達できない領域のうどんがここにあることを、誰もが直感的に理解しているからに他なりません。