本作が「卒業ソング」「旅立ちの曲」として世代を超えて愛され続ける理由はどこにあるのか。SNSやファンコミュニティにおける実際の声を定性分析すると、ある明確な共通点が浮かび上がります。
ネット上の投稿や知恵袋等のコミュニティで頻繁に見られるのは、「泣けるのに、前を向いて走り出したくなる」「湿っぽくないからこそ、別れが辛い時に一番効く」という感想です。従来の日本の卒業ソングは、合唱曲に代表されるような哀愁や涙を誘う短調のバラードが主流でした。しかし『Step and Go』は、心拍数を上げる四つ打ちのダンスビートでありながら、胸を締め付けるリリックを乗せています。この「身体は踊っているのに、心は泣いている」という感情の二重構造が、リスナーの内面にある葛藤と完璧にシンクロするのです。
また、公式PV映像が与えた視覚的インパクトも忘れてはなりません。ハイスピードカメラとモーションコントロールを駆使し、コマ送りのような特殊効果と滑らかなダンスの対比を描いた映像は、当時の音楽ビデオの常識を覆しました。スタジオのシンプルな白い空間で、私服テイストの衣装を纏った5人が見せる高度なステップ。過剰なセットに頼らず、身体表現のシンクロ率だけで見せきったPVは、「嵐のスキルの高さ」を世間に知らしめる決定打となりました。