中古車市場やSNS上でまことしやかに囁かれる情報の中には、購入者を惑わす重大な誤解が潜んでいます。代表的なネットの噂を検証します。
代表的な誤解が、「ブレンボが付いているからブレーキは最強」という過信です。XJR400Rに純正採用されたイタリア・ブレンボ社製キャリパーは、通称「ヤマンボ」と呼ばれます。確かに当時のクラス標準を大きく超える制動力とステータスを誇りましたが、製造から20年以上が経過した現在は、ピストンの固着やシールの劣化が進行している個体がほとんどです。定期的なオーバーホールを受けていないヤマンボは、むしろピストンの戻りが悪くなり、ブレーキの引きずりやディスクローターの異常摩耗を招く危険物と化します。ブランド名だけで安心するのは致命的な過ちです。
もうひとつの罠は、「外装ピカピカ・フルカスタム車両」の危険性です。ヤフオクやメルカリ、無保証の格安現状販売店で見られる「外装オールペン済み、社外ショート管、アップハンドル装着車」の中には、過去にフロントから激しく衝突事故を起こしてフレーム修正を受けた個体や、複数の事故車からパーツを繋ぎ合わせた「ニコイチ車両」が数多く紛れ込んでいます。外見の華やかさに目を奪われず、フロントフォークのインナーチューブの点錆、ステムストッパーの変形、エンジンのフィン欠け、フレームの溶接ビードの不自然さといった「骨格と心臓部」を見極めなければ、購入後に車体代金以上の修理代を請求されることになります。