リハビリテーションの現場において、理学療法士(Physical Therapist: PT)と作業療法士(Occupational Therapist: OT)が担当する領域は法律上も明確に区別されています。
理学療法士の役割は、病気やケガ、加齢などによって運動機能が低下した人に対し、「座る」「立つ」「歩く」「寝返りを打つ」といった基本動作能力の回復を図ることです。関節の可動域を広げる徒手療法や筋力トレーニング、温熱・電気を用いた物理療法などを駆使し、身体の土台を再構築する運動療法の専門家として機能します。
対する作業療法士の仕事内容は、基本動作ができるようになった後、あるいは残された機能を活かして「食事をする」「服を着替える」「料理をする」「文字を書く」といった日常生活動作(ADL)や応用的動作を再獲得させることです。さらに、OTの大きな特徴として精神分野(うつ病、統合失調症、認知症など)へのアプローチが挙げられます。手工芸や園芸、レクリエーションなどを通じて、患者の自尊心回復や社会復帰を支援する「心と暮らしの伴走者」です。
なお、言語機能や嚥下(飲み込み)のリハビリを専門とする「言語聴覚士(ST)」を交えた3職種がチームを組み、患者一人ひとりの生活再建を支える体制が医療現場の標準となっています。