消費者に最も大きな衝撃を与えた「カール西日本限定いつから始まったのか」という転換点は、2017年8月生産分(同年9月店頭在庫分)でした。このタイミングで、福井県・岐阜県・三重県以東の東日本エリアにおいて、カールの店頭販売が全面的に終了しました。
この劇的な地域分割の背景には、生産体制のドラスティックな再編がありました。それまで全国5カ所のグループ工場(埼玉、静岡、大阪、愛媛など)に分散していた生産ラインをすべて解体し、愛媛県松山市に拠点を置く子会社「四国明治(松山工場)」、すなわち松山明治生産体制へと一本化したのです。巨大な製造釜と包装ラインを四国の1拠点に集約することで、製造固定費を極限まで圧縮する戦略でした。
しかし、生産ラインが1拠点に絞られたことで、全フレーバーを維持することは物理的・コスト的に不可能となりました。そこで断行されたのが、フレーバーの厳選です。全国的に長年親しまれていた「明治カールチーズあじうすあじ」の2大看板が残された一方、熱狂的なファンを抱えていた「カールカレーあじ販売終了」という痛恨の決定が下されました。
西日本エリアにおいて圧倒的な消費量を誇っていたのは、昆布と鰹の出汁文化に合致した「うすあじ」でした。一方、カレーあじは全体の売上シェアにおいてチーズやうすあじに大きく水をあけられており、限られた生産枠から外れる結果となったのです。この決定に対し、ネット上では「カレーあじこそ至高だった」と惜しむ声が現在も語り継がれています。