逗子ストーカー事件に関して、ネット上では一部の誤解や不正確な言説が見られます。事実関係を客観的に精査します。
誤解1:犯人の刑事裁判で重罰が下された?
加害者の男は犯行直後に現場で自殺したため、被疑者死亡のまま不起訴処分となっています。そのため、主犯に対する直接の刑事判決は下されていません。法的な断罪が行われたのは、住所情報を不正取得した探偵業者および情報屋(不正競争防止法違反や詐欺罪などで有罪判決)、ならびに被害者遺族が逗子市を相手取って起こした損害賠償請求訴訟(市側の過失を認め和解成立)です。
誤解2:市役所窓口に犯人本人が訪れて情報が漏れた?
犯人本人が市役所の窓口を訪れたわけではありません。犯人から依頼を受けた探偵が介在し、探偵から依頼された情報屋が「夫」になりすまして電話をかけ、言葉巧みに聞き出したのが実態です。直接の対面を介さない電話口での本人確認の脆弱性が突かれた事例でした。
誤解3:ストーカー規制法違反で逮捕されていた?
事件前年の2011年に男が逮捕された際の容疑は「脅迫罪」でした。当時のストーカー規制法は「電子メールの連続送信」を規制対象として明記していなかったため、警察はストーカー規制法ではなく刑法の脅迫罪を適用せざるを得ませんでした。この法的な穴が、後の迅速な法改正につながる動機となりました。