おみくじの大吉は結ぶと運気が逃げる?神職が教える正しい作法

おみくじの大吉は結ぶと運気が逃げる?神職が教える正しい作法

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そもそも、なぜ私たちは引いた紙を境内に結ぶのでしょうか。ここには日本語の言霊信仰と、神道の中核をなす「産霊(むすひ)」の思想が深く関わっています。

おみくじを結ぶ意味と由来の真相を辿ると、古代日本の「結び(むすび)」という言葉に行き着きます。「むすひ」とは、天地万物を生み出し育てる神秘的な生命力を指す神道の根本概念です。「おみくじを結ぶ」という所作は、自らの誠の心を神仏に託し、「神様の御神徳と強固なご縁を結ぶ」という神聖な誓約儀礼でした。

かつての参拝者は、神社の御神木や境内の木々の枝におみくじを結んでいました。生命力に満ちた樹木に結びつけることで「木の気(生命力)」にあやかり、願いを成就させようとした民間信仰の名残です。しかし、参拝者が無造作に枝へ結びつけることで樹皮が傷つき、木が枯れてしまう被害が相次いだため、現代の神社では「みくじ掛け(みくじ棚)」と呼ばれる専用の設備が設けられるようになりました。

ここで極めて重要になるのが、神様とご縁を結ぶ境内のマナーです。現在でも一部で見られますが、指定されたみくじ掛け以外の鳥居の柱、柵、そして境内の生きた樹木に勝手におみくじを結びつける行為は、神域を損ねる不敬な行為と見なされます。神様との縁を結ぶ行為が、境内の環境破壊につながってしまっては本末転倒です。必ず設置された専用の枠組みに結び留めるのが、現代の参拝者が守るべき最低限の礼儀です。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。