日本史の幕開けを飾る縄文時代 いつからいつまで 期間が続いていたのかについては、近年の炭素14年代測定法の進歩によって大幅な見直しが行われました。現在では、青森県大平山元(おおだいやまもと)遺跡から出土した無文土器の年代測定などを根拠に、約1万6000年前(紀元前140世紀頃)から約2800年前(紀元前10世紀〜前4世紀頃)までの約1万3000年余りに及ぶ時代区分として捉えるのが定説となっています。
この長大な期間は、気候変動や土器の様式変遷に応じて主に6つの時期に区分されます。
- 草創期(約1万6000年前〜):氷河期が終わり温暖化が始まる中、世界最古級の土器が出現。
- 早期(約1万1500年前〜):定住化が進み、列島各地に小規模な集落が形成され始める。
- 前期(約7000年前〜):「縄文海進」により海水面が上昇。温暖湿潤な気候下で貝塚が急速に増加。
- 中期(約5500年前〜):気候が最も温暖となり、内陸部を中心に大規模集落が繁栄。装飾的な土器が百花繚乱の時代を迎える。
- 後期(約4500年前〜):寒冷化が始まり、集落が再編。儀礼や祭祀の空間(ストーンサークル等)が発達。
- 晩期(約3300年前〜約2800年前):東北地方の亀ヶ岡文化に代表される極めて精緻な工芸技術が頂点に達し、やがて水稲耕作を伴う弥生文化へと移行。
時代を象徴する縄文土器の特徴は、粘土を紐状にして積み上げ、野焼き(約600〜800度)で焼き上げる技法にあります。表面に施された縄目の文様(施文)だけでなく、中期に見られる「火焔型土器」のような躍動感あふれる立体的な造形は、単なる調理用具を超えた高い芸術性と象徴性を物語っています。何より、土器を用いた「煮炊き」の発明によって、植物の灰汁(アク)抜きや硬い肉・貝類の加熱調理が可能となり、人間の可食範囲と栄養摂取効率を劇的に跳ね上げました。