大腸がんを公表した芸能人が口を揃えて語るのが、「初期の段階では痛くも痒くもなかった」という事実です。大腸の内壁には知覚神経がほとんど通っていないため、早期の病変が痛みを引き起こすことは基本的にありません。では、彼らはどのような違和感を察知したのでしょうか。
大腸がん芸能人の闘病記や手記、退院後のインタビューから抽出される「見逃されがちな初期症状」には、以下のような特徴的なパターンがあります。
第1に挙げられるのが、便通異常の慢性化です。「最近、頑固な便秘が続いていると思ったら、急に水のような下痢になる」「お腹の張りが取れず、ガスが溜まりやすい」といった症状を、単なる加齢や多忙によるストレス、食生活の乱れと片付けてしまうケースが極めて目立ちます。
第2に、便の形状変化(狭小化)です。大腸の管腔内に腫瘍が盛り上がってくると、便の通り道が物理的に狭くなります。その結果、「鉛筆のように細い便しか出なくなった」「排便後もスッキリせず、強い残便感が残る」という現象が生じます。故・今井雅之さんも生前の記者会見で、「お腹に激痛が走る数か月前から、便が極端に細くなり、体調不良が続いていたが、仕事のプレッシャーだと過信してしまった」という無念を語っていました。
第3の重大な兆候が、血便・下血を「痔」と思い込む誤認です。直腸やS状結腸にできた腫瘍から出血した場合、鮮紅色の血液が便の表面に付着することがあります。多くの人が「昔からの痔が悪化しただけだろう」と自己判断し、市販の軟膏などでごまかした結果、腫瘍が進行してしまうケースが後を絶ちません。暗赤色の血液が混じる場合や、原因不明の貧血・立ちくらみが続く場合は、すでに体内で慢性的な出血が起きている深刻なサインです。