耳掃除の綿棒が黄ばむ・臭いのはなぜ?湿性耳垢と危険な外耳炎の境界線

耳掃除の綿棒が黄ばむ・臭いのはなぜ?湿性耳垢と危険な外耳炎の境界線

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耳掃除を終えた綿棒を引き抜いた瞬間、鮮やかな黄色やドロッとした付着物とともに漂う刺激臭。この現象に直面した際、多くの人が「洗い方が足りない」「不衛生にしている」と誤認しがちです。しかし、医学的な見地から見ると、耳垢の臭いの原因は衛生状態の不備ではなく、耳の構造と分泌腺の生化学的メカニズムに起因しています。

外耳道(耳の穴から鼓膜までの約2.5cm〜3cmの管)の外側3分の1には、「耳道腺(アポクリン汗腺の一種)」と「皮脂腺」が密集しています。ここから分泌される淡黄色の脂質、タンパク質、遊離脂肪酸が、剥がれ落ちた角質細胞と混ざり合って形成されるのが本来の耳垢です。耳垢にはリゾチームやIgA抗体といった殺菌成分が含まれており、弱酸性を保つことで外部からの細菌侵入を食い止める「保護バリア」の役割を果たしています。

ところが、分泌された皮脂や脂質が外耳道の常在菌(表皮ブドウ球菌やコリネバクテリウムなど)によって分解・酸化されると、脂肪酸が変質します。これが綿棒の黄ばみとチーズ臭や酸臭を放つ決定的なプロセスです。適度な分泌と排出が保たれていれば悪臭にまで発展することはありませんが、分泌過多や自浄作用の停滞、あるいは局所的な雑菌の異常繁殖が起きると、周囲にも気付かれかねないレベルの異臭へと変化していきます。

吉田 誠
著者

吉田 誠

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