ネット上のマナー論議やSNSの投稿を見ていると、極端な言説が拡散されるケースが散見されます。その代表例が「目上の人に対して『お疲れ様です』を使うのも実はマナー違反である」という主張です。
この説の根拠として、「本来、目下が目上に対して疲労の有無を言及すること自体が不作法である」という旧来の礼法論が持ち出されることがあります。しかし、これに対する現代の結論は明確です。新入社員マナー研修詳細や大手企業の人事ガイドラインにおいても、目上に対する「お疲れ様です」は完全に公認された敬語表現として扱われています。もし社内の上司に対して「お疲れ様です」まで禁止してしまうと、朝以外の時間帯に使える挨拶が完全に消滅してしまい、業務円滑化に著しい支障をきたすためです。
ただし、重大なプロジェクトをやり遂げた役員や社外の重鎮など、より格式高い敬意を払うべき場面では、お疲れ様でした言い換え敬語を用意しておくのがスマートです。具体的には以下のような表現が推奨されます。
- 「本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました」
- 「お力添えをいただき、心より感謝申し上げます」
- 「〇〇様のご尽力に、深く御礼申し上げます」
また、ビジネス敬語NG例まとめとして押さえておきたいのが、退勤時の「ご苦労様でした」以外の落とし穴です。上司より先に退社する際に「ご苦労様です」と言うのが最悪のNGであることはもちろんですが、単に「お疲れ様でした」だけで済ませるのも配慮に欠けます。「お先に失礼いたします。お疲れ様でした」と、辞去の断りを冒頭に添えるのが目上の人への正しい挨拶表現です。