高校物理の力学に入ると、仕事率の公式はさらなる進化を遂げます。基本公式である P=W/t に、仕事の定義 W=Fx(力×変位)を代入してみます。
P = W / t = (F × x) / t = F × (x / t)
ここで、単位時間あたりの変位である「x / t」は、物体の速度 v〔m/s〕そのものです。したがって、仕事率は以下の鮮やかな公式へと導かれます。
仕事率 P〔W〕= 力 F〔N〕× 速度 v〔m/s〕
この「P=Fv」という速度公式は、新幹線や自動車が一定の速度で巡航しているときのエンジンの出力を求めたり、雨粒が空気抵抗を受けながら終端速度で落下する際の仕事率を瞬時に算出する場面で威力を発揮します。問題文中に「距離」や「経過時間」が明記されておらず、速度と推進力(または摩擦力・抵抗力)だけが与えられている場合、迷わずこの公式を選択するのが定石です。