アニメ映画においてしばしば議論の的となるのが、「映画の出来事は原作漫画の本編に含まれるのか、それともパラレルワールドなのか」という疑問です。この問いに対して、公式発表資料および原作者のコメントは一貫して「ヒロアカ映画はすべて正史である」という解答を示しています。
堀越耕平氏は各劇場のパンフレットや『週刊少年ジャンプ』の巻末コメント、ジャンプフェスタの特番ステージ等において、「原作のタイムラインのどこに位置するかを明確に想定して設定を組み込んでいる」と明言しています。単なる名前貸しの監修ではなく、オリジナルキャラクターのデザイン、敵(ヴィラン)の「個性」の設計、プロットの査定に至るまで原作者が深くコミットしているのがヒロアカ劇場版の際立った特徴です。
その客観的な証拠として最も顕著なのが、劇場版オリジナルキャラクターや設定の「原作本編への逆輸入」です。
- メリッサ・シールドの逆輸入:第1作『2人の英雄』に登場したメリッサ・シールドは、原作漫画第384話において正式に描写され、彼女が開発したサポートアイテム「フルガントレット」の改良型である「ミッドガントレット」をデクが最終決戦で使用しました。
- ヴィラン・ナインの本編登場:第2作『ヒーローズ:ライジング』の主敵であるナインは、原作漫画第222話(死柄木弔の回想シーン)にシルエットとして1コマ明確に登場しており、ドクター(殻木球大)の臨床実験対象として原作世界に実在していたことが証明されています。
- ロディ・ソウルの世界観反映:第3作『ワールド ヒーローズ ミッション』で登場したロディ・ソウルや海外のプロヒーローたちも、原作終盤の海外情勢やコミックスのおまけページ・カラーイラスト等でその存在が公式に裏付けられています。
一部の少年漫画映画に見られる「本編との時間軸の矛盾」を徹底的に排除し、あくまで原作で語られなかった空白の期間を描く構成になっているため、読者は安心して「本編の公式エピソード」として映画を楽しむことができます。