速さ・時間・道のりでなぜ躓く?「みはじ」の罠と瞬解テクニック

速さ・時間・道のりでなぜ躓く?「みはじ」の罠と瞬解テクニック

速さ・時間・道のりでなぜ躓く?「みはじ」の罠と瞬解テクニックについて見逃せない ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。

小学校高学年や中学受験算数の速さ、そしてSPI非言語の速さ計算において出題される問題は、複数の主体が動いたり、乗り物自体の長さや流れる水の速さが加わったりする応用パターンが主軸となります。これらは公式の丸暗記では太刀打ちできませんが、構造的なパターンを一度掴んでしまえば、即座に解法の糸口が見えてきます。

1. 旅人算の解き方:2人の「距離の縮まり方・広がり方」に着目

旅人算の基本は「出会い」と「追いつき」の2種類です。ここで重要なのは、2人の個別な移動を別々に計算するのではなく、「1分間に2人の間の距離が何メートル変化するか」という相対的な速さを捉えることです。

  • 向かい合って出会う場合:1分ごとに2人が進んだ距離の「和」だけ距離が縮まります。
    立式:出会う時間 = 初めの距離 ÷ (速さA + 速さB)
  • 同じ方向に追いつく場合:1分ごとに2人の速さの「差」だけ距離が縮まります。
    立式:追いつく時間 = 追いつくべき距離 ÷ (速さA - 速さB)

2. 通過算・流水算の解法:隠れた距離と自然の力を視覚化する

通過算・流水算の解法で鍵となるのは、日常的な錯覚を排除した正確な条件整理です。

列車が鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでの「通過算」では、進むべき道のりは「鉄橋の長さ」だけではありません。列車の先頭が鉄橋に入り、最後尾が完全に抜け出すまでの道のりを図に描くと、「実際の進んだ距離 = 鉄橋の長さ + 列車の長さ」であることが視覚的に明らかになります。電柱のような「長さのないもの」を通過する場合は「列車の長さそのもの」が進んだ距離となります。

一方の「流水算」は、川の流れが味方するか邪魔するかを符号化します。船が川を上るときは「静水時の速さ - 川の流れの速さ」、下るときは「静水時の速さ + 川の流れの速さ」となります。上りと下りの速さの差が「川の流れの速さの2倍」になるという関係性を押さえることで、複雑な連立条件も瞬時に紐解くことが可能です。

3. 速さと比の解法テクニック:計算を極限までショートカットする

上位校の受験やSPIの制限時間対策で決定的な武器となるのが、速さと比の解法テクニックです。

  • 時間が一定のとき:進む道のりの比は、速さの比に正比例する(速さの比 = 道のりの比)。
  • 道のりが一定のとき:かかる時間の比は、速さの比の「逆比」になる(速さが A : B なら、かかる時間は B : A)。

例えば、「同じ道のりを、行きは時速4km、帰りは時速6kmで往復した」という設定であれば、速さの比は「4 : 6 = 2 : 3」です。したがって、所要時間の比は逆比の「3 : 2」になります。往復にかかった全体時間が判明していれば、比例配分するだけでそれぞれの時間を計算でき、複雑な分数計算を一挙にスキップできるのです。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。