ネット上のレシピ情報やグルメ情報には、長年信じ込まれているものの、科学的・実践的には誤りである盲点がいくつか存在します。
誤解1:「白滝が肉を硬くする」は現代では過去の神話
「すき焼きを作る際、白滝(糸こんにゃく)に含まれる石灰(凝固剤)のアルカリ成分が肉を硬くするため、肉の隣に配置してはいけない」という説が長年常識とされてきました。しかし、一般財団法人日本こんにゃく協会の検証実験により、現代流通している一般的な白滝が肉の硬さに与える影響は科学的にほぼ認められないことが実証されています。白滝の配置に神経質になる必要はなく、むしろ割り下の味をしっかり吸わせる加熱タイミングに注力すべきです。
誤解2:「しゃぶしゃぶのお湯はグラグラ沸騰させる」は大間違い
出汁をグツグツと強火で沸騰させた状態で肉を入れると、肉のタンパク質が急激に収縮して水分を排出し、一瞬でゴムのような硬い食感に変わってしまいます。正しい湯通しの温度は80℃〜85℃(鍋底から小さな泡がフツフツと立ち上る程度)です。肉を箸で優しく持ち、お湯の中で「泳がせるように2〜3回往復させる」だけで十分。うっすらとピンク色が残るミディアムレアの状態で引き上げることが、肉の柔らかさとジューシーさを引き出す鉄則です。