車椅子からベッドへの移乗介助!腰痛を防ぐプロの技術と最新器具

車椅子からベッドへの移乗介助!腰痛を防ぐプロの技術と最新器具

今注目を集めている 車椅子からベッドへの移乗介助!腰痛を防ぐプロの技術と最新器具について、多角的な視点をご紹介しています。

インターネット上の動画やまとめ情報には、一見すると便利そうに見えながら、重大な事故を引き起こしかねない誤解や危険なノウハウが混ざり合っています。安全を期すために、現場で多発している典型的な盲点を正しく認識しておく必要があります。

誤解1:「ズボンのベルトやウエスト部分を力強く掴んで引き上げる」
多くの初心者がやってしまいがちなこの動作は、極めて危険です。衣類を強く引っ張り上げると、要介護者の腹部を圧迫して強い苦痛を与えるだけでなく、布が滑った瞬間に介助者のバランスが崩れ、共倒れになるリスクがあります。さらに、脆弱化した高齢者の皮膚に強い摩擦がかかり、表皮がベロリと剥がれる皮膚剥離(スキンテア)の主因となります。支えるべきは衣服ではなく、広く面で当てる「骨盤」や「肩甲骨」です。

誤解2:「車椅子の肘掛け(アームサポート)に手を置かせて立ち上がらせる」
一見、理にかなっているように思えますが、車椅子の肘掛けは重心の後方に位置しています。要介護者がアームサポートを真下や後ろ向きに押そうとすると、上半身が後ろに反り返り、お辞儀姿勢が完全にキャンセルされてしまいます。立ち上がりの際は、肘掛けではなく「介助者の肩」や「ベッドの端」、あるいは「自分の太もも」に手を置いてもらい、前傾姿勢を促すのが正しい力学誘導です。

誤解3:「スライディングボードは座面に乗せれば勝手に滑る」
ボードをただ敷いただけでは、衣類の素材や皮膚の摩擦によって途中で引っかかり、お尻が脱落する危険があります。スライディングシートを併用するか、滑りやすい素材の衣類を選定する、あるいは要介護者の骨盤をわずかに前傾させながら体重移動をサポートするという「ボードを機能させるための連動動作」が不可欠です。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。